| トウィッチングによるストリームプラッキングを完成させた男、表層の魔性のダンスで数多くの鱒を攻略した関武次郎がどうにもならなかった。慢心や驕りがあった訳ではない、ましてや気を抜いて釣りをしていた訳でもない。それでも獲れなかった。アタリすら取れない時もあった。本州の分厚い本流に潜む難攻不落、超大型のワイルドレインボー・・・彼は、この一尾を狙うために最も信頼していたナイロンモノフィラメントラインを捨て、PEワイヤー系ラインを選択した。すべてはセンシビティーのために。ボトムの構造と構成、複雑に入り組んだ分厚い本流の流れのすべてをパーフェクトに把握するための必然の選択だ。相手は、海や湖で成長し遡上してきた個体ではない、その流れの中だけで巨大に成長した狡猾な老成魚だ。潜む場所を的確に推理し、1cmのオーダーで精密にミノーを流に送り込む。逃げるように、戸惑うように、安心したように・・・、ミノーを演出させようやく口を使う。それでもフレンチキッスのような超ショートバイト、そのわずかなチャンスを一撃で完全なセットフックに持ち込むために開発したのがTF-A84MHSだ。PEワイヤー系ロングリーダーラインシステムをトラブルフリーで使いこなすための、特異的ガイドセッティングは伊達ではない。次世代のトラウトプランキング、関とTF-A84MHSによってその扉が開かれた。 |
佐藤偉知郎が櫻鱒を釣るために開発した機種。逃げ惑うベイトフィッシュを演出するイチロージャーク。ハイスピードでド派手なアクションというイメージに思われているが、それはイチロージャークのほんの一部分でしかない。ルアーを完全に停止さてナチュラルドリフトさせている状態からウルトラハイスピードリトリーブをしながらのロングジャークまで、スピードコントロールの幅が恐ろしく広く、ステップが異常に細かい。さらにルアーのアクションにいたっては、水平方向と垂直方向に対して、ストロークとスピードのコントロールを恐ろしく精密に行なっている。深度についても同様だし、飛距離に関しても尋常ではない。シチュエーションに応じて、ドラスティックに変化していくのがイチロージャークの本質だ。佐藤偉知郎がロッドに求めた性能は、フルパラボリックアクション、しなやかで粘り強くモーメントが強烈、しかしキックバックがない、どんなルアーでも使える、という常識はずれのものだった。ガイドセッティングも、現在主流となっているニューガイドコンセプトと相反する理論によって構成さている。すべてがラインテンションを完璧コントロールし、最適なベクトルをルアーに与えるためなのだ。ロッドは、イメージどおりルアーをトレースさせるために必要なエレメントなのだ。開発は困難を極めたが、8年間のトライアンドエラーの末、完成したのがTF-A92HSだ。誰にでも使えるロッドではない、どんな釣り方にも対応できるロッドでもない。TF-A92HSはイチロージャークスペシャルなのだ。佐藤偉知郎のスピリッツを是非体感して欲しい。 |